いろんな思いと出会いによって「ひろかわ産地の学校」がスタートしました。11月24日(土)1回目の講義は、ものづくりスペースKibiruで、オリエンテーション。

産地の学校主催者、株式会社糸編の宮浦さん
他の地域での産地の学校や、宮浦さんの取り組みはこちらから。http://sanchinogacco.com

宮浦さんから自己紹介をスタートし、みんなそれぞれ参加したきっかけや、学んでみたいこと、これからやってみたいことなどを話して行きました。久留米絣を知っていきたい人、洋服のブランドを立ち上げていきたい人や、ファッションデザイナー、久留米絣の仕事に興味がある人などなど。様々な方向から久留米絣や、産地のこと、テキスタイル業界のことを知り、自分の活動に繋げていきたい方達が集まりました。

工程を学ぶだけでなく、テキスタイル業界の中で久留米絣ってどういう位置にあるのか、どういうことを求められているのか?まずテキスタイル業界がどういう動きをしているのか?など知りながら何か新しい動きや、形につながればと思います。宮浦さんも「これを機にKibiruをビジネスの場としてや、ひろかわ産地の学校が終わる3月以降もそれぞれの出発点や、立ち寄り点などになればいいなと思います。」とおっしゃっていました。

初回授業はオリエンテーションとして、生地や糸に関する基本情報やこの産地について。宮浦さんの手に持っているのが産地の学校のテキスト。テキスタイルの製造行程や、繊維について、糸について、染色など様々な知っておきたいテキスタル業界の言葉や、仕組みがわかる内容。テキストやスライドを元に、全国の繊維産地のこと、生産出荷額、糸の番手などなど知っておきたいテキスタイルの基本情報を学びました。

久留米絣でよく使われる糸の番手は?
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括り職人の園木さんにも来ていただき、久留米絣の基本工程も教えてもらいながら周辺地域にどのくらいの久留米絣の工房があるかなど、久留米絣についての基本情報もみんなでシェアしました。
ちなみに機械織りの久留米絣でよく使われる糸の番手は、20単糸だそうです。(番手は糸の太さを表す単位。数字が大きくなるほど糸は細くなる)。

織物の世界では横糸を緯糸、縦糸を経糸と表記するのですが、園木さんから、こっちでは「緯糸」を「ぬき糸」と呼ぶと教えてもらいました。その読み方をするのはこの産地だけかも?と宮浦さんも初めて聞いたと言っていました。古い言い方だと、緯糸を整経することを「ぬきはえ」というらしいです。

また今回、ゲストにテキスタイルコンバーターの島田さん東京から参加してくださいました。

コンバーターって聞き慣れない単語ですよね?工場とメーカーの間に入る生地問屋さんのことだそうです。
全国の生地の産地や技法に詳しいテキスタイルのスペシャリスト。東京の産地の学校でも講師をされています。ひろかわ新編集のプロデューサーの江副さんも「まるでテキスタイルの編集者だね」と言っていたのが印象的でした。

島田さんは今回、久留米絣の生地をいろんな種類生地と一緒に染め実験をしたものを持って来てくれました。ブリーチをかけて、脱色したり、上から染料で染め重ねてみたり。普段しない久留米絣の後加工によって、風合いや見え方が変わる実験。
こういう実験の積み重ねや、そのからの視点のアイデアで可能性がさらに広がる予感がしました。

次回のひろかわ産地の学校は、八女の下川織物さんのフィールドワークからスタートです!初回講義で習ったテキスタル用語をもとに実際に見る現場は、糸の番手や、織機の仕組み、染色などいつもと違う視点で、気になる部分がたくさんありそうですね!楽しみです。

 

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