先日、山村健さんのところにお邪魔した際に、足踏み織機での手織りを見せてもらいました。
足踏み織機が久留米絣でも利用されるようになったのは大正の初めごろだそうです。
その頃に導入された織り機は今も現役で使われていますが、これもその中の1台。
足でペダルを踏むとその動力がいくつもの歯車に伝わって、シャトルや筬が動く仕掛けになっています。
生地の両端にあたる〈耳〉の位置や絵柄を確認しつつ、投げ杼の織り機よりも早く効率よく織ることができるのが足踏み織機、だと思っていたのですが、その日の湿度で糸の滑り方が変わるため細かい調整も必要なのだそうです。
手織りはやはり、職人の経験や技術や感覚の結晶なのだなと改めて感じました。
ご自宅の方で、奥さまが手作りのお菓子を振る舞ってくださいました。季節に合わせた素敵なおもてなしを、いつもこっそり楽しみにしています。
この日は梅雨の中でも元気な、可愛いカタツムリの箸置きでした。 (冨永)