11月15日(土)に開催された、山梨県富士吉田市の「産地と産地をつなぐトーク企画 サンチカンサロン」の「見学編」レポートを(写真多めで)お届けします。
サンチカンサロン本編の様子は「交流編」をご参照ください!
サンチカンサロンの前に、ハタオリマチ関係者の皆さんが短い時間にギュッと濃縮した富士吉田の産地見学をプログラムしてくださいました。
富士吉田駅で東京からのバスを降りると、まずは駅に直結したハタオリマチ案内所へ。
山梨県産業技術センター富士技術支援センター(シケンジョ)の五十嵐哲也さんから、10年以上続く富士吉田での取り組みについての説明を受けます。
技術が豊富なだけにかえって下請け的な仕事が多かった富士吉田産地が、大学、行政、企業などなどのいろんな立場の方たちとの関わりの上で、それぞれの織元さんが自社ブランドを持つような独自性のある「ハタオリマチ」へと変化していった経緯を分かりやすく話していただきました。
ハタオリマチ案内所は各織元さんの生地見本や、織の技術が駆使されたグッズの展示販売スペースにもなっています。
駅ビルの中には12の織元さんのオリジナル商品を販売するヤマナシハタオリトラベル mill shopもあります。
そして、ふじよしだ定住促進センターの事務所でもあるFUJIHIMUROへ。
もとは製氷会社で、現在はギャラリーとアートスペースを兼ねた施設として運営されています。外観や内装に製氷会社だったころの記憶を残す、素敵な建物です。
もとは製氷会社で、現在はギャラリーとアートスペースを兼ねた施設として運営されています。外観や内装に製氷会社だったころの記憶を残す、素敵な建物です。
開催中のハタオリ大学 meets D&DEPARTMENTでは、山梨産地と東京造形大学の産学連携プロジェクトで開発されたテキスタイルと商品が展示されていました。
こちらの部屋は残布や生地見本を活かして繊維産地の特色ある生地から商品を生み出すD&DEPARTMENTのFROM LIFESTOCKのバッグやテキスタイルカバーのノートなどの展示販売スペース。壁面には各織元さんの紹介と生地見本が展示されています。山梨の生地で作られたもんぺや半纏もありました!
更に見学は続きます。
明治期にフランスから日本に伝わった絣の技法「ほぐし織」の織元である舟久保織物さんに伺いました。
銘仙と同じく、仮織りしたタテ糸をシルクスクリーンで染色し、1メートルごとに仮糸を抜いてほぐしながら織る「ほぐし織」。先染めされたタテ糸にヨコ糸が織り込まれることでわずかなずれが生じて絣の風合いが生み出されます。
ほぐし織の詳しい工程については、実際に織機や染め場を見学しながら教えていただきました。
写真提供:FRPC
舟久保織物では化学繊維で傘やネクタイ生地などを生産されていますが、試験的に麻や綿麻などの天然繊維の生地も作っているとのこと。チャレンジに前向きな舟久保さんの姿勢は下川さんと通じるものがあるようで、お二人が熱く織物について話し合う場面も見かけました。
次はリネンのテンジンファクトリーさんへ。デザイナーからのオーダー生地の生産に加えて、自社ブランド「ALDIN」などを展開される織元さんです。
ナチュラルなやさしい風合いにファンが多いリネン生地で、キッチンクロスからカーテンまで様々な製品が作られていました。リネンでは珍しいあざやかな色柄のものや、和柄などの生地もありましたよ!
そして翌朝。
海外でも人気の富士山撮影スポットや、富士山への登り口「吉田口」がある北口本宮冨士浅間神社にもご案内いただき、見事な富士山と紅葉の美しい富士吉田を満喫しました!
富士吉田のみなさま、大変お世話になりました! (冨永)