福岡市在住のファッションデザイナー日野美穂さんを迎えてのKibiruでの滞在制作とトークイベント「ひろかわクリエイターズ・ハブ」は盛り上がり、そして先日静かに終了した。
去年の1月に広川町に移住してから、確実に町外からも「ひろかわ町」の存在が明るくぼんやりと見つめてもらえているように感じる。町全体から見れば、私たちが今活動していることはほんの些細なことばかりかもしれない。でも確実に何かが変わってきている。
日野美穂さんのトークイベントは会場を埋め尽くした。Kibiruという会場のキャパシティも40人前後というものだが、会場にある椅子40脚全てを放出していてなんだか感動を覚えた。Kibiruという建物がさらに大きな鼓動を打ち始めたようにも聞こえた瞬間だった。そしてさらに嬉しいことに、今回は町内の方が来場者の4分の1を占めていたということ。
少しづつではあるが「ファッション」という掴むに掴めない雲のようなイノベーションが広川町に降りてきたのではないだろうか。
作り手が「モノづくり」と「商売」を融合させる行為は本当に大変だと思う。
自分も作り手だった頃は商売が全くできなかった。そういったことはモノを作らない営業さんの客観的な判断が頼りだった。モノを作るという行為はひょっとしたら魂も一緒に削っていて、モノと自分がちょっとだけ一緒になっているから「売る」という言葉を心のどこかで拒否しているのかもしれないのではないかと考えたことがある。テクノロジーが進んでみんなが手を加えなくても作れてしまう世の中になるまではこの作り手の苦悩は続くのかもしれないが、どうだろうか。個人的には手で作って欲しいのだけれど。
「ファッション」とはなんだろうか。最近、確実にわかったことは「物←ファッション」だけではない、ということ。行為もファッションとして成立するし、成り立ちも「ファッショナブル」なこともある。ファッションが頭をグルグルする。
来月からはファッションラボ:Kibiruと滞在型交流施設:Origeがオープンする。まだまだ、このグルグルとワクワクは続くのです。