Lottozero x ひろかわ新編集/Kibiru 繊維産地インスタ交流 vol.2 プラートの繊維産地紹介】
ロットゼロ(@lottozero) (http://www.lottozero.org)【の拠点があるイタリアのプラートはヨーロッパで最も規模の大きい繊維産地の一つで、特に羊毛糸と毛織物の重要な生産産地です。
さまざまな繊維産業に関わる中小企業があるプラートの工業地区には紡績、織布、仕上げ加工、染色、ウール再生工場、ニット工場を含めて現在約10 ,000社存在します。
プラートの繊維産地の歴史の始まりは12世紀まで遡り、工業生産プロセスの機械化がヨーロッパで広がったことでプラートでも19世紀に繊維産業が始まりました。
・古着から再生ウールへ
« rag (ラグ=ボロきれ)»とプラート産地で呼ばれる古着や繊維廃棄物の回収業とそれを反毛(毛織物や毛糸のくずをほぐして繊維にすること)する工場の増加により、再生ウールの生産システムが産地内で整備され、プラートが繊維産地として発展するさらなるきっかけとなりました。
・リサイクル工程
回収されたラグの中から再生可能なものを選別します。次に繊維の種類と色によって仕分けがされます。その後、ボタンやジッパー、裏地や品質表示ラベル、ブランドタグなどが取り除かれます。このように不用品を取り除いた後に反毛の工程へと送られます。
ラグを専用のローラー式の反毛機にかけることにより繊維は細かく切り刻まれ、さらにカーディングされることで綿状の薄い繊維のベールがつくられます。その後繊維は巻き取られ、糸、フェルト、産業資材として生まれ変わる再生の工程へと移ります。糸として再生される場合、巻き取られた綿状の繊維は紡績工場で完全に新しい糸になった後に織物工場で布として織り上げられます。
この繊維リサイクルの工程は、ウールだけでなく綿などの他繊維へも応用、多様化されてきましたが、プラートでは現在もウールの再生繊維が最も特徴的であり続けています。
また何十年にもわたり産地全体で整備、システム化されてきたこの繊維の再利用と再生のプロセスは、環境に配慮したさまざまな取り組みが行わる今日において繊維経済を循環させるための初期のモデルとなっています。
Photos by @marcobadiani
一枚目写真の男性は、”Cenciailo チェンチアイロ”と呼ばれるラグの仕分けの作業をしている最中で、リサイクルウール生産の中の重要なプロセスの一つです。この作業は、一度触るだけで素材を判断し、色分け、生地を割く熟練が必要です。
この作業をする職人の存在は13世紀にまで遡り、繊維原材料が希少だったためリサイクルが始まり、第二次世界大戦後にピークを迎えました。
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