筑後市の九州芸文館にて、広川町の魅力を紹介する写真展が開催されています。
広川町地域おこし協力隊の森音広夢さん、フォトグラファーの竹下和輝さん、同じく矢野敏さんの3人のプロ写真家が、それぞれの視点で撮影した広川町の風景を展示します。
そんな今回の企画について、森音さんと竹下さんにお話を伺いました。
広川町の魅力とは。
住んでいる人も気づいていない、町の外にもうまく伝わっていないその「何か」を、SNSなどの情報発信ではなくアートとして表現することはできないか。
そもそもの着想は、竹下さんと森音さんのそんな話から始まったのだそうです。
竹下さんは日常の中にあるドラマの舞台としての広川町をテーマに。森音さんは町のゆったりした時間を一枚の絵として切り取るために。東京在住の矢野さんは都市部とは違った町の雰囲気に魅力を感じて。
それぞれの視点で切り取られた広川町の風景には、タイトルも撮影者の情報もありません。
来場者に先入観なくじっくりと作品と向き合ってほしいという思いから、あえてキャプションを掲示していないのです。
撮影場所や画題については、在廊している写真家に直接聞いてほしい、とのこと。
そして、じっくりと写真に向き合ってもらうための仕掛けがもうひとつ。気に入った3点に、来場者が「投票」できるシステムです。
自分のお気に入りを探すために、何度も写真を見てくれる人が多いというこれまでの展示会での経験から、今回もこの投票システムが採用されました。
プロフェッショナルである写真家たちの目から見ると意外に思われる写真に人気が集まったり、日によって人気作品が違ったりという、興味深い結果が表れてくるのも面白さなのだとか。
投票システムは、来場者とフォトグラファーの間のコミュニケーションになっているのです。
竹下さんと森音さんにそれぞれのお気に入り作品を伺ってみると、何とお二人とも同じ上広川地区・逆瀬集落の天満宮で撮影された写真を上げてくれました。
竹下さんはお堂に腰掛ける母と子ふたりの後ろ姿。森音さんはご神木の切り株に紅葉した木の葉が散り敷いている一枚です。(ぜひとも会場でご確認ください!)
今回の撮影で3人ともが感じたのが、このお堂がある上広川地区の風景の良さ。
逆瀬や小椎尾といった山の小集落の暮らしがあり、絶滅危惧種のサンショウウオや貴重な植生、野鳥が見られ、特産の広川青石で築かれた水路に美しい水が流れている。
広川インターから車でたった15分という近距離に、こんな場所が隠れているのが信じられない、と森音さんは力説していました。
写真展は日曜日まで。
この週末は3人の写真家の目を借りて、広川町の魅力を発見してみてください。
ご来場お待ちしております! (冨永)
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「シン・ヒロカワマチ 3人の視点による広川町」
【参加アーティスト】
竹下和輝(久留米市在住)
矢野 敏(東京都在住)
森音広夢(広川町在住)
【日時】
2022年
3月4日(金) 12:00-21:00
3月5日(土) 9:00-21:00
3月6日(日) 9:00-19:00
【会場】
九州芸文館 アネックス1-B (筑後市大字津島1131)
【入場料】 無料