こんにちは。山下永子と申します。今回「ひろかわ新編集」でご紹介している様々な「足元の宝」にかんして、「それはそうだけど、それって知られているの?魅力として伝わっているの?」な、視点からみてみようという3回シリーズの読み物を書かせていただきます。題して「広川町の魅力・課題をアンケートから読み解く」です。よろしくお付き合いください。
簡単に自己紹介いたします。私は九州産業大学の教員・研究者です。大学ではマーケティングや社会調査などの科目を教え、プレイス・マーケティングという地域・場所を様々な人の行き先にするための戦略等について研究しています。もう長いこと福岡市在住ですが、広川町境から3キロ圏の久留米南部で生まれ、高校卒業までそこで過ごしていました。大学は熊本に進学したので、広川町は20代前半まで距離的には身近な場所でした。しかし、私はつい10年ぐらい前まで、広川町についてほぼ何も知らなかったのです。知っていることと言えば「八女市と久留米市の間にある3号線沿いの町」「ICとSAで名前は聞いたことがある」「ダムがある」くらいだったかもしれません。
そんな私が2015年に広川町地方創生総合戦略審議会委員、2018年に同有識者懇談会委員に就任し、はや8年がたちました。この間、多くの広川町の魅力に気づかされ、驚かされ、大好きになりました。しかし同時に、それが町外に知られていないこと、また表に出てきていない問題などもみえてきて、どうにかしたいなあと思うことも増えてきました。こういった「何となく見えてきたもの」を、この場を借りて、ピシャっとデータで見える化し、共有し、皆さんとこれからの広川町について一緒に考えていくきっかけになるといいなと思っています。
では、まずは、かつての私のように「お隣の久留米市民でさえ、若い人は広川町のことをよく知らない事実」を確認してみたいと思います。グラフは、2016年に福岡市東区にある九州産業大学の学生253名に行った広川町の認知状況に関するアンケート結果です。
全体の45.5%が、広川町のことを「知らない、今日初めて聞いた」と回答しました。福岡県外出身者が63.5%と高い割合になっていることはもちろん、広川町がある筑後地域を除く「福岡県出身者の40%近くが知らない」という残念な結果が得られたのです。
2016年は、ちょうど地方創生総合戦略が始まった年です。その後、こういった「知られていない広川町の魅力」を発信していく動きが本格化していきました。このようなアンケートはその後行っていませんが、そろそろ、また大学生にアンケート調査をして、その後どう変わったか検証してみたいものです。
(出所: 筆者作成)
さて次回は広川町民アンケートから、知られざる広川町のリアルな魅力を見ていきたいと思います。