東京滞在②

東京都渋谷区、小田急線を新宿から各駅停車で一駅、南新宿から徒歩2分くらいの場所に「かぞくのアトリエ」(渋谷区こども・親子支援センター)はあります。(実は新宿からでも代々木からでも歩いて行けてしまいそうな距離です。)

渋谷区の元学童施設として使われていましたが一度閉館し、現在では 株式会社マザーディクショナリー が渋谷区から委託を受けて運営をしている施設です。今回はかぞくのアトリエの館長である新堀さんにお時間をいただき、見学と様々なお話をさせていただきました。

・かぞくのアトリエ

http://kazoku-no-atelier.com

なぜこの施設に注目したかというと、「もっとも成功している親子支援センターのひとつ」であるからです。人気の親子支援センター、というと『?』と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この表現は決して過剰なものではなく、2013年8月より開館し約5年経ったその後も入場者数は増え続けで今では月平均1000組近い親子が来場し、一日平均で40〜50組ほどになると言います。親子向けのカフェや施設の運営はなかなか成果が出しにくいといわれる中で信じられない数字を今も叩き出しています。私が訪れた日も平日でしたが、絶えず親子が出入りをしていました。

このように書くと「都会だから、立地がいいから人が集まる」という声もあるかもしれないですが(私もはじめはそのように考えていましたが)、実際にはそれだけの要素では上記の来場者数に達することは難しいようでした、なぜなら、新宿駅から歩いても行けるほどの距離であっても「ついでに」いけるような場所でもなく、近隣は住宅街ですが決して子育て世代向けの住宅街というわけはないからです。

しかし、それでもたくさんの親子がこの場を求めてやってきます。

記載したホームページを開いていただくとわかると思いますが、このページをみてすぐに感じる「安心感」が「かぞくのアトリエ」の特徴です。そして何より頻繁に行われるイベントや、半年間のコース型講座の親子教室や週末のアートスクールがさらに親子とのアトリエとのつながりを作っています。そして何より、(細かいところですが)年齢によって使える場所を時間で区切り、小学生と幼児の活動スペースを重ならないようしているのも嬉しいところで、子供といっても幼児と児童では遊び方や体格が違いすぎるのでこのような配慮はとても助かります。そういった数々の試行錯誤で得た経験から生まれた「痒いところに手が届く」様々な配慮と仕組みが「お母さんや子供達の楽園」を作り上げているように感じました。そして、安心したお父さんやお母さんは互いに交流を深め情報交換をします。このやりとりのできる場づくりこそが核家族化の進む現代の子育てにおいてとても重要で、地方においても同じことのなのではないでしょうか。

(パントマイマーの佐々木諒さんが登場!子供もお母さんも楽しめるっていいですよね)

 

新堀館長がかぞくのアトリエで大切にしていることを伺うと次のようなお答えをいただきました。

「子供を産んで安心できる場があること。そして、おかあさんが楽しく過ごせる場があること。」

 

少子高齢化が加速する現在であれば子育て世代に手厚くしていく事が現代の主流であるはずですが、現実はもう少し複雑なようです。

 

他にも 株式会社マザーディクショナリー が渋谷区から委託を受けて運営する、児童から青年までのクリエイティブな活動を支援する「代官山ティーンズ・クリエイティブ」も地域の事情にフィットした事業展開として注目しています。

かぞくのアトリエ、代官山ティーンズ・クリエイティブ共に、渋谷区が推進する「渋谷区こどもテーブル」に参加し、それぞれのスタイルで子ども食堂を開催、みんなで作ってみんなでテーブルを囲むことで、食の大切さを伝え、共働きや核家族化の進む現代で地域コミュニティを育む場になっています。

 

代官山ティーンズ・クリエイティブ

http://daikanyama-tc.com

 

渋谷区こどものテーブル

http://shibuyaku-kodomo-table.jp


(庭に実ったキウイ。都心なのでちょっとびっくりしましたが、癒されますね。)

 

他にも色々と新堀館長とお話しをさせて頂きましたが、子供が楽しいことは大人も楽しいことなのだと思います。

もし、子育てに問題が起こるとしたら、解決方法は実はとてもシンプルなことなのではないでしょうか。

 

「環境を変えれば、生活が変わり、生活が変われば地域が変わる」ととある先生がおっしゃっていた言葉を思い出しました。

 

ありがとうございました!

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