引き続き、ヤヨヒさんの絣大風呂敷の柄をご紹介します!
13)四角
大変愛らしい四角形の柄。
織りの際に、柄にわずかなずれが生じるのが絣の特徴のひとつです。この柄のはヨコ絣なので、横方向に少しずつずれており、配置は均等ですが、ひとつひとつが違う形の四角形になっています。
この全体に不揃いな感じが、フリーハンドで描いた絵のような素朴な愛らしさのもとになっているのですね。
さらに、「すくい」(ヨコ糸を一本おきに括る)の技法で柄に濃淡の変化が生まれています。
遠目に見ると伝統模様のひとつ、「市松模様」にも見えますね。
シンプルな四角形のデザインですが、絣の技術が反映された、のびのびとしたリズムを持った生地です。
14)泡
アルファベットのCの字を横にしてランダムに散らしたようなデザインです。これも断定しにくい柄ですが、水面の泡のようにも見えますね。春先の小雨が、さーっと音を立てて水の上に降っている時の様子を思わせます。
この柄にも「すくい」の技法で濃淡が作られています。
15)鳥
前回ご紹介した「鳥と井桁」の柄によく似ています。もしかすると同じ生地の違う部分かもしれませんが、井桁がないので別の柄として扱うことにします。
クチバシや脚まできちんと描かれた鳥たち、輪郭線だけの鳥と白い鳥が描き分けられている上に、大きさや飛ぶ方向などにも変化があります。布地としての美しさと、写実性とが両立したデザインです。
皆さんにご紹介するためにじっくりと生地を見ていると、初見では気づかなかったようなデザインの工夫や意図に出会うことができて楽しくなります。
これからも引き続き、いろんな柄を掲載していきますので、お見逃しなく! (冨永)
There are patterns from Kurumekasuri patchwork, “square”, “bubble” and “bird”.
We’ll continue to post various patterns, so don’t miss it!