少し長いタイトルになりましたが、7月28日、Kibiruで西沙那子さんのトークイベントを開催しました。

6月初旬から8月初旬まで、ゲストハウスOrigeでお試し居住をしながら、宝島染工下川織物で働き、広川町での暮らしを体験された西さん。

そもそもなぜ広川町に来たいと思ったのか?、実際に滞在してみてどうだったのか?などについて、ざっくばらんにお話いただきました。

全て記録してお伝えすべきかもしれませんが、私たちが切り取ったエッセンスを、3回に分けてお届けしようと思います。

お試し居住報告会の様子

まずはじめに、西さんが広川町に来ることになったわけ、について。

西さんは東京造形大学・同大学院でテキスタイルデザインを学ぶ傍ら、産地の学校東京校の1期生でもあり、郡内産地(山梨県富士吉田市、西桂町)で機屋さんとコラボした経験もあって、とっても優秀な人です。

ところが、いざ就職となると、望むような仕事がなかなか見つからず、、、。

とはいえ、彼女は高待遇の会社を探すとか、デザイナーとして独立できる環境とか、決して高望みしていたわけではなく、布を染めるなど「手を動かすことが好き」を生かせる仕事をしたいと、純粋に願っていただけでした。

芸大・美大生のあるあるらしいのですが、彼らの多くはそんなささやかな希望を持っているのに、いざ就職となると望む仕事には就けていない現状を語ってくれました。

そんな中で、今年2月、西さんは東京清澄白河のリトルトーキョーで開催された「糸偏産業・合同企業説明会」に参加します。

糸偏産業合同企業説明会での宝島染工

そこで出会ったのが、宝島染工の大籠千春さんでした。天然染料で中量生産している染色工場は国内でも数少なく、西さんは直感的に「ここで働きたい!」と思ったそう。これが今回のきっかけとなります。

私たちひろかわ新編集プロジェクトも、この説明会に参加していましたが、実は、私たちと西さんとの出会いは、そのときが初めてではありません。

徳山大学の大田康博先生が主催されている「テキスタイル産地ネットワーク」の第2回が、昨年八女のうなぎの寝床で開催された際に、彼女も広川町に来てくれていました。もともと面識があったので、そのときも「産地で働きたいけど、望む場所がなかなか見つからなくて、、、」と、私たちのブースで話していきました。

一方の宝島染工さんでは、求人はしているものの、生産管理の担い手を求めていましたので、西さんはここでも採用枠に該当しませんでした。

しかし、彼女は諦めることなく、とにかく一度作業場を見学させてほしいとお願いし、4月に1人で福岡にやってきます。

レンタカーを借り、初心者マークを貼り、慣れない運転で宝島染工のある大木町や広川町を回りました。

そんな彼女の行動力や、やりたいこととまっすぐに向き合う人柄に触れた大籠さんは、彼女にある提案を持ちかけます。

それが、週のうち数日は宝島染工で働き、残りの日は別の事業所で働く、という「連携雇用」という働き方を試験的にやってみないか、というものでした。

もちろん彼女はその提案をすぐに受け入れます。

そうして、ゲストハウスOrigeの「お試し居住」制度を活用することになり、西さんのひろかわ暮らしが始まることになったのです。

今回の鍵となった「連携雇用」については、次回お伝えしますね。

つくし会の料理で交流会

トークイベント終了後、広川町の農家でつくる女性グループ「つくし会」さんが作ってくださった手料理や、会のリーダー渡邉悦子さんの畑でとれた巨峰やスイカなどをいただきながら、交流会をしました。

つくし会の看板商品「山の牛蒡コロッケ」も、もちろん大好評でした!

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