9月ごろでしょうか。

「広川でもスッポンが獲れるよ。」の報を受けました。すぐに蟹籠を購入し、10月には毎夕で川に出かけ、そして罠を仕掛けていました。

しかし、どうにもこうにも獲れないんですね。
WEBで調べると結構簡単に餌につられてやってくるような雰囲気だったのですが、実際はそれほど簡単ではないようです。きっとスッポンも「バカにすんな」と怒ったことでしょう。

全く獲れない日々が続く中、なんと、ある地元の名手が「スッポン取れたよ〜」とのこと。
早速向かって見るとなんとなんとでかい!手のひらのふた回りほどは大きかったと思います。

「すごいですねー!大きいですねー!」
感動のあまりスッポンについて色々とお聞きしつつ、「持ってみな」というのでまだ飲み込んだままの針から伸びる釣り糸を引き上げると、重い、ズシッととした重みと指に食い込む釣り糸。痛い!釣り糸を絡めた指が痛いです。

「じゃあ」

と去ってゆくスッポン名人のおじさま。
え。いただいていいんでしょうか。。。。ええ。。。指痛い。。
そして、おじさまは静かに頷き、家に戻っていきました。

特大スッポンをいただいてしまった私。車まで釣り糸一本で重さ2〜3キロはあろうスッポンを片手に道路を歩きました。通り過ぎる車から熱い視線を受けつつ500メートルを歩き、ようやく車につきましたが、指がもげそうです。

 

さあ、どうしようか。

魚を下ろしたことはあっても、スッポンは初めてです。
とにかくスッポンを大きめの発泡スチロールに入れ、水も入れて保管。しばらく真水に晒しつつWEBサイトで調べます。調べます。今の世で調べてわからないことはない。プロだってわからない技術はYouTubeで調べてしまう時代です。素人の私が観ないわけには行きません。
すると、YouTubeから出てくる多くのさばき方の説明動画。プロの技も公開されていますので「できない」が言い訳になってしまいますね。ある意味辛い世になってしまったかもしれません。
(もちろん回数を重ねて経験しないとうまくはなりませんが。)

 

そして翌日

 

 

 

 

えい!

 

 

さばきました。

撮り忘れましたが、最初に首を落とします。噛みつかれると大変ですので。
それでも落とした後もものすごいパワー。想定外です。筋肉も強靭なためなかなか切れません。包丁研ぎたてなのに。。。。
どうやら動画で勉強して見ていたスッポンとはクラスが違うようです。
こっちはラオウクラスでした。

さばく時の順番とか詳細もYouTubeで見れますので「スッポン 捌き方」でぜひ検索してみてくださいね。

甲羅を外せば全ての内臓が出てきます。
ここからが大変なんですよ〜。胆嚢と膀胱を絶対に潰してはいけないんですね〜。においますので。

白っぽいのは脂肪で、オレンジ色のキンカンみたいなのは受精前の卵です。

初めての作業なので時間がかかりました。。。

 

 

解体するとこんなになります。レバーは一部を誤って切っちゃいましたので三分の一ドゥルっとしてます。
胃袋は捨てましたが、腸は洗って開きました。

スッポンは生命力が強く沼地でも生きることができて、食べる時もほとんど捨てるところがない上に栄養価も高いので、食材としては優秀な生き物なのだそうです。

 

そしてなんとか全てが捌き終わり、皮は湯引きして薄皮を剥ぎ、そして煮ます。

ただひたすら、煮ます。野菜も一緒に。

 

 

30分くらいしたらキンカンとお肉部分を投入。

さらに2時間くらいすると、エンペラと呼ばれる甲羅の端の方のペラペラとした部分が見事なぷるぷるコラーゲンになります。
さらにさらに煮込むこと1時間。

 

できました。

予想以上の仕上がり感。
何と言ってもスッポンと塩と野菜だけなのに深みのあるスープができたことに感動しました。
もちろんコラーゲンたっぷり。
(フカヒレとかコラーゲンの類は食べ過ぎるとお腹を壊しやすいので注意です。)

 

広川名物スッポン。

来年は流行るかもしれませんね。
スッポンさばきワークショップ、いかがでしょうか。

ぜひお試しを!

 

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